1947-10-09 第1回国会 参議院 司法委員会 第33号
第七に、姦通罪廢止の社會的影響というものを考えてみたい。我が國の社會現象を直視しますときに、姦通行爲を刑法から取除いてしまつて解放してしまうという理由を私は發見することができません。憲法と異りまして、刑法は現下の實情に適切なる規定を必要とするところの、日常の現實法であると私は考えます。理想を掲げるものではありません。憲法は理想でもよろしい。
第七に、姦通罪廢止の社會的影響というものを考えてみたい。我が國の社會現象を直視しますときに、姦通行爲を刑法から取除いてしまつて解放してしまうという理由を私は發見することができません。憲法と異りまして、刑法は現下の實情に適切なる規定を必要とするところの、日常の現實法であると私は考えます。理想を掲げるものではありません。憲法は理想でもよろしい。
これは話が外れますけれども、單に海上勞働者の生活が、物質的に計量される面で非常に苛酷だというばかりでなく、それに結び付けて、この間の姦通罪廢止の公聽會なんかに、九州の方から船員の代表がわざわざ出掛けて來て、姦通罪廢止時期尚早論を話しておりましたが、私は姦通罪廢止時期尚早論には反對ですけれども、姦通罪は廢止すべきものであると考えます。